「喜びにあふれた」  05.12.25
               マタイ2:1〜12

 クリスマスにお生まれになったイエス・キリストと本当に出会う
ことができた者は、安心して生きていけます。東方から来た学者
たちもそうでした。
 学者たちは、王さまを拝むために旅をしてきました。イエスさまを
王さまとして拝み、献げものをした後は、もう聖書に登場しません。
 彼らは、人にとって重要なことは何かを示してくれます。 それは、
「イエスさまを自分の王さまと認め、王さまに従って生きる」ということです。

 自分の王さまは自分自身である。自分の願いを何よりも優先するのだ。
 ほかの誰にも支配などされたくない…。それが一番自分らしく生きる
ことになる。そう考えることがあるかもしれません。
 しかし、自分が自分の王さまであり続けることは簡単ではありません。
 人は、自分に裏切られ、自分を信じられなくなります。自分自身が
王として自分を治められるというのは、幻想でしょう。王さまである自分が
揺らぐと、いつの間にか、世間の評価、風潮、この世の富などに支配され、
奴隷のようになってしまっていることがあります。人には、人を生か
す確かな王さまがどうしても必要です。

 東方から旅を続ける学者たちの姿に、確かな王を求めてさ迷う人間の
姿を見ます。真に安心して自分のすべてをお委ねする相手を求めている。
 心からの信頼の中でひれ伏し、拝む相手を求めている。それを必要と
しながら、さ迷っている人間の姿です。
 学者たちは、「止まった星」を見て大変喜びます。大きな喜びに激しく
捕らえられたのは、なぜでしょうか。もう捜し求めてさ迷わなくても良くなった
からです。自分の落ち着き場所が見つかったからです。自分を委ねきる
ことのできる相手を発見したからです。

 信頼してすべてをお委ねできる王さまがいるときにこそ、人は真に
自分らしく、また安心して生きることができるようになります。
 学者たちだけでなく、私たちもそのような生き方ができるようにと、
神さまは主イエスをクリスマスに送ってくださいました。